会社の後輩の日報を見せてもらうと、内容があまりにも稚拙だったため衝撃を受けました。
「自分、文章力がないので…。」
と、自信を無くしていた後輩でしたが、文章力も確かに低いのですが、それ以前に大切なものが足りていないことに気がついたので少しアドバイスしてあげることにしました。
「相手の気持ち」を考え過ぎるな!

後輩の日報に足りていないもの、それは現象や相手の反応に対して「自分がどう感じたか」というものです。
これは日報だけではなく、営業マンとして相手に物を売る仕事をしている人にとって、かなり大切な「感覚」だと思っています。
相手と話をしている際に「相手がどう感じているか」についてばかり考えがちです。
「相手に不審に思われていないか?」
「ここでお願いしたら嫌がられないだろうか?」
「今の言葉遣いは問題なかっただろうか?」
自信のない営業マンはこのようなことを主に考えているのではないでしょうか?
後輩もまだ営業経験が浅く、実績も少ない為このような考え方ばかりに偏ってしまうのも仕方がないことです。
相手の気持ちを考えるのは当たり前に必要なことですからね。
しかし、相手の気持ちに合わせてばかりですと「自分の成長」は見込めません。
相手に振り回されてばかりの無駄な時間を過ごし、自己成長ではなく「ことなかれ主義」の「言いなり君」が出来上がってしまいます。
「これを言ったら嫌われるのではないか?」
などと考え、どんどん萎縮していくことになり、結局何も挑戦出来ないまま、本当はチャンスが眠っていたかもしれない商談も無駄にしてしまうことになるのです。
もっと「自分の気持ち」に敏感になろう!

ここからが本題ですが、「相手の気持ち」に過剰になり過ぎると、余計な被害妄想までエスカレートしてしまうこともあり、酷い人はチャレンジする前に「こんなの上手くいくはずが無い!」と決め付けて行動を起こすことすら出来なくなってしまいます。
ではどうしたら良いのかといいますと、もっと「自分の気持ち」について観察したら良いのです。
これは「自己中心的であれ」と言っているのではありません。
もっと自分を「客観視」して、自分というフィルターを通して物事を観察しようという意味です。
- 相手と話をする際、緊張しているのか?
- 呼吸が早くなったり、話のテンポが早すぎたりしていないか?
- 心にゆとりがあるか?
- 嘘をついてないか?
- 相手の目線や口調から何か感じるものはあるか?
- 相手の話の中で自分が何をどう感じているか?
このように、特別難しいことではありません。
最初は自分が緊張しているかどうかぐらいを確認したらいいのです。
「自分の気持ち」を認識する前段階として、「自分の状態」を把握しておくことが大切です。
緊張していることにも気がつかず、急に商談に飛び込むことでパニック状態のまま話が終わり、結局感想も何も残らないまま「何も出来ずに終わってしまった」ということが起こるのです。
常に「自分の状態」を観察することで、冷静に自分の状況を客観的に把握することが出来るようになります。
そうすることで初めて「相手」に意識を集中する土台を作ることが出来るのです。
「心の動き」を感じよう!

「自分の状態」を把握出来てくると、次は自分が感じる「心の動き」についても注目していきましょう。
パニック状態のまま商談を進めると、相手との話の中で感じるちょっとした「違和感」をスルーしてしまう恐れがあります。
その自分が感じた「違和感」に中に攻略のヒントが眠っていることがよくあります。
「相手の気持ち」ばかりに偏ってしまっていても、その違和感を「触れてはいけないこと」として見て見ぬふりをしてしまうことがあります。
そうしていると物事の核心に迫ることが出来ません。
「自分の状態」を冷静に把握出来ている状態ですと、自分が「違和感」を感じていることにも気がつきます。
そうすることで「違和感」について具体的に質問してみることも出来ますし、次回の相談までに「仮説」を立てて臨むことも出来ます。
相手からの情報は同じように発信されていても、「自分の状態」を把握出来ているか否かで「受け取れる情報の量と質」にかなりの差が出てきます。
「この人なんかいやな感じだな〜」と自分が思っているのなら、何故自分がそう思ったのか理由を考える。
「この建物の雰囲気なんか好きだな」と思ったら、何故そう思ったのか考える。
そうすることで自分と相手との共通点を見出したり、自分とは真逆の考えを持つ人だということを知ることが出来ることが出来ます。
それぞれで仕掛け方やアプローチが異なりますが、共通点があると話が盛り上がり易いのは確かですが、自分にはない考えを持つ相手でも「自分にはそのような考え方は持ち合わせていませんでした!勉強させていただきたいので少しお話し伺ってもよろしいでしょうか?」と本心で聞いてあげると相手も喜んでくれます。
小手先の営業のテクニック本などで「相手の装飾物を褒めろ」とか「部屋に飾ってある絵を褒めろ」などと書いてありますが、自分の心がそう思っていないと全く意味がありません。
私は「営業は正直であること」が命だと思っています。
ですので小手先のテクニックに頼っている人間は、いつか化けの皮が剥がれてしまいますが、「自分の状態」を観察し「自分の気持ち」に素直に反応できる人間は、飾る必要もなく正直に相手と話をすることができます。
ですので相手との信頼関係を構築し、長い間あなたのファンになってくれる人が生まれてくるのです。
日報も同じ!

話を「日報」に戻しましょう!
日報もいままで伝えたことと同じです。
「自分が感じたこと」をもっと前面に報告していきましょう。
私と商談を同行した後輩の例でいいますと
- 自分と私との違い
- 自分が用意している資料と私が用意している資料の違い
- 自分の落ち着きと私の落ち着きの違い
- 自分と私の話のテンポはどうか?
- 私と相手との目線や笑顔雰囲気作りはどうか?
- メリットとデメリットを提示して不信感を抱かせていないか?
- 私が違和感を感じてすぐ質問したことに気がつけているか?
後輩が落ち着いて冷静に私の商談を見ることが出来ていれば、少なくても学ぶことがこれだけあります。
このようなことを客観的に把握し、その上で「自分は何をどう思ったか」ということや「自分はどうなりたい」と思ったかを書くだけで日報の内容はかなり変わってきます。
少なくとも「事実」だけを書いていた最初の日報よりは内容の濃いものが出来上がるでしょう。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
私は何も「日報が全て」と言いたいわけではありません。
「自分の気持ち」を把握することが全てです!
それさえ出来ていると、日報なんてすぐに書くことができるのですから。
「たくさん勉強しよう」と思って頭に詰め込むだけでは意味がありません。
「そのとき自分が何をどう思ったか」を把握することで、勉強したことが一気に自分の力になります。
もう少し自分について知りましょう。
そうすることで本来眠っている自分の力を引き出すことができる様になります。
それに関しては以前読んだ「人生は楽しいかい?」という本から学んだことですので、気になる方はコチラの記事も御覧下さい。
ちなみに私はほとんど日報を書きません!笑
結果で見せるタイプのスーパー営業マンです!
日報なんて必要ありません!
そんな私がたまに日報を書くと、たちまち全社で共有されます。
ですので一回の日報の「重み」を重視しています。
人には出来ないことをやろうと思ったら、人と違う自分を見つけなければいけません。
そのためにももっと自分を観察してみましょう!
ではまた!
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